棚が好きだ。
好きなものを置く。好きなように、気分がいいように置いていく。
そこにはAtmosphere が生まれていく。

このPLACEシリーズはチャレンジだった。
厚み一定の板を組んだ、ただそれだけにしたかった。
今までいろいろと棚を作った。板厚を微妙に変えたり面の取り方を工夫したりと、その棚自身に顔を持たせていた。
でも、今回は何もしないがテーマ。通りすがりの人が気になって振り返ったりしないで”通り過ぎる“、そんなのがいいと思った。つい、ここをこうしよかなと思いがちになるのを、何度も自分で言い聞かせて
何もしないを貫いた。緊張感があった。工場のみんなも「ほんまに？このままで？」な空気があった。

完成した棚を店の空間に置いてみた。嬉しかった。すこぶるいい。スッキリと気持ちいい。
何も置いてなくてもいい。ひとつふたつのせてみるとまたいい。
その辺で拾った枝でも石コロでも、途端にギャラリーに置かれた作品のように見えてくるやん、とか言って楽しむ。
主張はゼロでも滲み出る存在感がある。でも押し付けはなし。
これだけプレーンだと、何をどう置くかという行為に自由さが増す気がする。

Placeには場所、状況、置くなどの意味がある。
どんな思いで何を置くか、それによって自分の好きな場所を作れる。
そんな棚で楽しく好きな空間を作ってもらえれば嬉しい。

W1100 D320 H1900 mm
ナラ無垢材